試験科目
税理士試験の科目は、会計系2科目、法律系9科目の全11科目あります。必須2科目、2科目中いずれか1科目に合格する必要がある選択必須、7科目から受験科目を選ぶ選択科目で構成されています。難易度、将来の必要性などを考慮して受験することができます。
必須科目、選択必須科目もありますが、科目のボリューム・難易度・自分の将来における必要性などを考慮した、受験する5科目を選びましょう。1回の試験で5科目全部に合格する必要はありません。1科目ずつ合格することが可能です。合格した科目は一生有効ですので、それぞれに合った受験計画を立て、一歩一歩確実に最終合格を狙いましょう。
| 必須科目 |
会計科目 |
簿記論 |
| 財務諸表論 |
| 選択必須科目 |
国税 |
所得税法 |
| 法人税法 |
| 選択科目 |
相続税法 |
| 酒税法 ※1 |
| 消費税法 ※1 |
| 国税徴収法 |
| 地方税 |
住民税 ※2 |
| 事業税 ※2 |
| 固定資産税 |
※1同士のいずれか1科目のみ選択可能。
※2同士のいずれか1科目のみ選択可能。
簿記論
理士試験の基礎となる科目です。「簿記」とは、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して 経営成績と財政状態を明らかにする技能のことです。ほとんどの人がこの科目からスタートすると思います。税理士の実務にも直結する学問であり、「財務諸表論」「法人税法」「所得税法」など他の試験科目にも関連してきます。日商簿記1級・2級を取得していると有利です。
●出題傾向
簿記論では大問が3題出題されます。簿記論というわりには理論問題は出題されず、計算問題が100%です。日商簿記よりも難易度が高く、ボリュームもあるためにスピードが必要です。
財務諸表論
簿記は、「帳簿に記録付けする技術」ですが、財務諸表論は帳簿から「財務諸表」を作成する手順や、会計処理のルールを学ぶ科目です。「貸借対照表」「損益計算書」などが財務諸表と呼ばれるものです。簿記論と同じく、これも税理士試験の基礎となる科目です。
簿記論との関連が強いので、合わせて学習すると効果的です。
●出題傾向
財務諸表論の出題範囲は「会計原理、企業会計原則、商法中商業帳簿及び会社の計算に関する規定、商法施行規則中総則、財産の評価、貸借対照表等の記載方法等及び純資産額から控除すべき金額に関する規定(ただし、特定の事業を行う会社についての特例を除く。)、財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則」となっています。11科目の中で合格率が一番高いのも特徴です。
所得税法
所得税とは、個人の所得にかかってくる税金です。
所得税といっても所得の区分は沢山あり、一番身近な「給与所得」、個人事業を営んでいる人は「事業所得」、不動産を売買した場合は「不動産所得」など、それぞれ計算の方法も異なります。所得税は年に一回国に納めるわけですが、給与明細を見ると毎月所得税が引かれているはずです。これは会社が毎月概算で徴収していて、年末調整で所得税を確定しています。また、給与所得以外に事業所得がある場合は確定申告をする必要がある場合もあります。所得税法では、このような所得税の計算、申告方法などを学びます。
●出題傾向
税理士の実務では必ず必要になります。
税理士として独立した場合は、自分自身の確定申告も行うようになるでしょう。
所得税はとても身近なものなので、イメージが湧きやすいと思います。問題は大問が2題出題される形となっていて、理論問題と計算問題が半々です。「所得税法」「法人税法」は選択必須科目なので、最低1科目は選ばなければなりません。非常にボリュームのある分野です。
法人税法
法人とは法律の規定により「人」としての権利能力を付与された団体の事をいいます。株式会社や合資会社、宗教法人など沢山ありますが、それらが法人です。法人税は、法人の利益に対してかかる税金です。
所得税と同じようなイメージですが、計算方法は異なります。所得税法と同じく、税理士の実務ではほとんどの場合必要になります。
所得税法よりも法人税法の方が人気が高いです。
●出題傾向
法人税法では、大問が2題出題されます。
理論問題と計算問題が半々です。簿記論、財務諸表論の知識が基礎となります。「所得税法」「法人税法」は選択必須科目なので、最低1科目は選ばなければなりません。
税理士試験では選択できますが、実務ではどちらも必須です。 非常にボリュームのある分野です。
相続税法
相続税法は、相続税だけでなく贈与税も含まれます。相続税というのは、個人が亡くなり、その財産(家・土地・現金・有価証券など全ての財産)を引き継いだ時にかかる税金です。相続税法は簿記の知識は必要なく、財産評価の知識や民法の知識が必要になってきます。「相続税」と「贈与税」はそれぞれ税金の計算方法が異なりますが、違いを簡単に言うと「個人が亡くなった後に財産を引き継ぐ」のが相続税で、「生きている時に引き継ぐ」のが贈与税です。ただ、平成15年度より「相続時精算課税制度」というものができたので、生前の贈与が相続にも直接影響する場合もあります。相続税を節税するためには、生前から計画を立てなければなりません。生きている時から相続の話をするのは気がひけますけど。また、「相続税法」は実務でも活用頻度が高く、しかも単発の報酬が高いので、相続をメインに営業している税理士さんもいるほどです。
●出題傾向
相続税法では、大問が2題出題されます。
理論問題と計算問題が半々です。簿記論、財務諸表論の知識は必要ありません。「相続税法」は選択科目なので、選択しない手もあります。
ただし、実務で活用するので税理士試験では人気があります。
独立を目指すなら学習しておきたい科目です。
酒税法
酒税は、アルコール飲料に対してかかる税金です。
消費税と同じ間接税で、購入者が支払います。ボリュームも少なめなので、学習しやすい科目といえますが、
税理士の実務で酒税法の知識を使うことは極めて稀です。ただ資格を取得したいだけという人には良いかもしれません。
●出題傾向
消費税法では、大問が3題出題されます。
6割が計算問題です。ボリュームが少なく、簿記の知識も必要ない科目ですが、 消費税法と併願できないのが注意点です。
消費税法
わたし達にとって、最も身近な税金です。消費税は「間接税」に分類されます。間接税とは納税義務者と税金を実際に負担する者が異なる税金をいいます。わたし達がお店で支払った消費税は、直接国へいきません。
お店が最終的に申告し、消費者から預かっていた消費税を納めます。
間接税といっても、負担しているのは消費者なので直接税だろうと結果は同じです。平成16年度から、事業者免税点が「3,000万円以下⇒1,000万円以下」に引き下げらました。以前は売上3,000万円以下の場合は、消費税を申告しなくてもよかったのです。売上1,000万円以下というのは、事業を続けられるギリギリのラインなので、ほどんどの事業主が消費税を納める事になりました。
●出題傾向
消費税法では、大問が2題出題されます。
理論問題と計算問題が半々です。
実践的な問題が出題されます。 簿記の知識が少し必要です。「消費税法」は全科目中3番目の受験者数ですが、選択科目なので選択しない手もあります。 酒税法と併願できないのも注意点です。
国税徴収法
税金が払えない、滞納してしまっている!そのような場合の税金の徴収方法を規定している法律です。
財産の差し押さえや換価方法などを学びます。他の科目と比べると特殊な分野です。
●出題傾向
国税徴収法では、大問が2題出題されます。
基本的にほとんど理論問題が出題されます。ボリュームが少なく、簿記の知識も必要ない、計算問題がない。
という珍しい科目です。計算問題をあまりしたくない人には良いかもしれません。
住民税
所得税、法人税が国税だったのに対し、住民税は地方税になります。
地方税とは都道府県・市町村に納める税金です。個人だけでなく、法人も住民税を支払わなければなりません。
住民税は前年の所得から計算されるため、所得税との関連が非常に強いです。所得税法の知識があった方が、効率よく学習できます。
●出題傾向
住民税では、大問が2題出題されます。
理論問題と計算問題が半々出題されます。所得税、法人税の申告などに必ず関連してくるので、実務では頻繁に関わる税金です
税理士試験では最も人気のない試験科目です。 事業税との併願はできません。
事業税
住民税と同じく、事業税も地方税になります。
事業を営んでいる個人・法人に課税されます。
給与所得には課税されません。
●出題傾向
事業税では、大問が3〜4題出題されます。
平成16年度では理論問題が75%を占めました。住民税と同じく所得税法・法人税法と関連が強いです。
計算問題は法人事業税が出題される場合が多いです。法人税法の知識があると有利な科目といえます。
固定資産税
固定資産税は、家や土地などの所有者に課税される地方税です。
税理士試験では固定資産税以外にも償却資産税も学びます。
●出題傾向
固定資産税では、大問が2題出題されます。
理論問題と計算問題が半々です。簿記の知識も必要なく、身近な税金だからでしょうか、選択科目ではダントツの人気があります。
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